第22話 「特攻メカ・ブロイラーの挑戦」
首藤剛志脚本 佐藤元コンテ 大庭寿太郎演出 
1980年11月24日放映


兵力増加を求めるアフロディアは要塞の維持管理のため、民間人を冷凍冬眠させた。
だがエネルギー不足のため一度眠りについた民間人は100年は目覚める事が出来ない。
事実を知った一組の恋人達は逃亡を企てるも捕らえられ、特攻兵器に乗せられた。
だが2人の向かった先はバルディオスではなかった。
これで良かったのか・・・
アフロディアの胸に初めての痛みが去来する。


22話は好きな方も多い話なんじゃないかな?
23話「甦った悪魔(後)」に続くアフロ様メインのお話ですし、シャワーシ-ンや私服姿と唸ってしまう絵も多いです。
で、私の感想はと言うと・・・
「アフロディア悪杉!!」「最低!!」です。
ストレート過ぎるよーな気もしますが思っちゃったものはしょうがない。
面白い話だとは思うのですがあまりの後味の悪さに見る気がうせちゃうんですよ〜
そんなわけでどちらかと言うと蓋をしてしまっておきたい回だったのです。

と、そんなところに22話執筆者の首藤剛志さんのコラム「シナリオえーだば創作術」第29回バルディオス愛憎改造計画・・・・・・・?」
WEBアニメスタイル連載中)
を読みまして、ハタと手を打ってしまったわけですよ。
えーーーーーーーそんな意図があったんだ〜〜〜〜〜(気がつかなかったyo〜)

コラムを読んでから見返してみるとなるほど、うーむ、確かに。
「アフロディア、25歳・・・人を愛したことは云々」のセリフなんかも
25にもなって何もない私に比べてはるかに年下(だと思われる)のリスルは違う世界に生きていた
ってな伏線にもとれるのかな。

ちなみに本放送当時の25歳って世間一般では微妙なお年頃・・・って言われてたんですよ。
あの頃「女はクリスマスケーキ」なんて言葉がありまして
その心は「25(クリスマス)を過ぎると売れない(結婚できない)」>ひどーい
今は年齢的に一つの区切りだとは思っても当時のような追い詰められ感はないんじゃないかな。
今の25歳だったら結婚よりも仕事(自立)って人も多いでしょうし。
アフロディアの年齢設定は当時のTVアニメのヒロインとしては異様に高いのですが
もしかしたらこのクリスマス説から取ってるのかも??ってちょっと思いました。

それでも最初の印象と言うのは残ってしまうんですよね・・・
バルディオスのお話(特に首藤さんの)はやや強引でもなぜか納得してしまう全体の説得力、締まりの良さ
が魅力だと思うのですがこの話に関してはアフロの非道さばかり目についちゃってどーもあかんです。
これって私だけかな?
もうちょっと(アフロディアが)迷ってる風の描写があれば良かったと思うのですが・・
いえ、あるのはあるのですが
(連行されるラトピとリスルを横目で追うシーンや次はリスルを特攻させればいいと促すガットラーに対する姿など)
寵愛していた従者をみすみす死なす
って言う行動に対しては弱すぎるのではないかと思います。

これを言っちゃーお仕舞いなのですがリスルってそもそも民間人??
アフロの従者なら半官半民って所でしょう。
「民間人100年冷凍冬眠」の話が出たところでフツーの感覚なら
「一緒に逃げましょう」じゃなくて「アフロディア様にお願いしてみましょう」じゃないのかなあ???
リスルのキャラクターデザインがバルディオスには珍しく昔の少女漫画のような大きな目&
線の細い作画もあいまって、小悪魔的な(男を破滅に導くような)タッチなので
この女だったらこういうのもありか?と思わせてしまうのではないかとは思いますが・・・うーむ。
前半で語られるアルゴル内の設備や様子が細かで説得力があるだけにリスルの言動はちょっと理解できない。
こういう突っ込みどころを突っ込めてしまうところが悲しいんです。
(29話「地球氷河期作戦」なんて突っ込みどころ満載なのに全体の強さが勝っているのでおかしいと感じないなのです)

目の前で逝ってしまった、救えなかった命を前に号泣するマリンと
その死の責任者のアフロディアの落ち着いた対応・・・
今までの流れからみてもアフロ様にしてみればあれでも精一杯だったのかもしれませんが
やっぱりちょっと・・・
私ってホントはアフロが好きだからこの話が苦手なのかしらん??
んにゃ、違うな。
マリンの相手である以上、アフロ様にはこちらが納得できるだけのいい女であって欲しかったです。

知り合いの猛烈アフロ様ファンはラストの2人の遺品を見つめるアフロ様の憂いを含んだ表情が良い!!って絶賛してますし
大昔にBBSに書き込んで頂いたご意見の中に
「恐らく形見として互いに渡して欲しいと託されたペンダントと階級章を見るアフロディアは何を感じたのか」
(うろ覚えなので違っているかもしれませんが大体こういう意見でした。)
と言うのもありました。
そんな事(お互いに形見としてアフロに託す)考えたこともなかったですよ・・・・私って一体・・・
アフロ様ファンにはちゃんと伝わるんですね。
反して私があのラストで思うのは
「今頃浸ってんじゃねーよ、バーカ!!!」です・・・・

どーにもすっきりしないのですがこの後味の悪さ、胸苦しさは=アフロディアの感情であるかもしれないですよね。
これが作り手の意図だったとしたらしてやられたり、完敗、です。


第23話 「マリン、日本を救え!」
酒井あきよし脚本 湯山邦彦コンテ 西村純二演出 
1980年12月1日放映


アルデバロンの狙いは世界連盟攻撃をダミーに、日本を標的にしたものだった。
日本には月影の家族がいる。
しかし世界連盟は保身のためバルディオスの日本派兵を許さかった。
板ばさみに苦しむ月影を見かねたマリンは単身、日本に飛び敵を征圧。
月影の立場はさらに怪しくなったが、家族無事救出の一報にそっと涙を流すのだった。


このお話は次の24話と同じで基本的にはスポンサーサービス回だと思います。
我らがヒーロー、バルディオスが日本で大活躍!!
だからみんな玩具買ってねって。
日本には月影(玩具購買層の子供だって明らかに日本人だと理解)
の家族も居るから助けてバンザイ!の人情物だと思うのですが
今見るとなんかちょっとおかしいんですよね。
ずれてるって言うか。

本放送世代、昭和に青春をおくった方ならもしかしたら同じ感想を持つかも?なのですが
今のお父さんだったらこんな変な意地は張らないんじゃないですか?
それに仮にも地球防衛の最前線に立っているBFS長官のご家族なんだものねえ。
そこらの平の戦闘員とはわけが違う。
手厚く保護した方が仕事に専念できるってものでは?

本放送を見た時どう思ったかはさっぱり覚えていないのですが
(地味な話なので印象に残らなかったのだと思います)
今見るとすごく懐かしい感じがしちゃうんですよ。
「忍耐と自己犠牲を美徳とする意地っ張りな親(月影夫妻)に子供(バルディオスチーム)が反発して
一度は揉めるんだけど最後は大団円でラストはホロリ。基本、涙と笑い」みたいな?
昔よく見たホームドラマみたいで昭和の香りを感じてしまいます。

で、お話がそんな風に柔らかいのに作画が上條さん〜
もー、強い強い!!
戦闘シーン(特に冒頭の地球戦闘機登場シーン)はカッコイイのですが
同じタッチで人物が芝居しちゃうとちょっと・・・どうかなぁ。
(下の24話で詳しく触れますがここらへんの回は戦闘シーンに特に力を入れていたようです)
もーこんな事をいうとほんとに申し訳ないのですが月影が悪夢から飛び起きるシーンと
マリンが焼け跡から額縁を拾うシーンはドリフのコントみたいで何度見てもプッて笑っちゃうんですよ・・・
いや、ほんとに申し訳ない。

そんな訳で画面はちょっとアンバランスなのですが前記の「ホロリ」で言うと声優さんたちの演技がいいです。
BFSって擬似家族っぽいじゃないですか。
(昔のロボットアニメって割とみんなそうかな?)
特にマリンと博士にはほんとにホロって来ちゃって、私ったらさっきあんなに笑ったのにイヤだわ・・
って、またそれがまた昔のホームドラマっぽく思えちゃうんですよ。

バルディオスの他の話を見てもそう古さは感じないのですが
この話ばかりはちょっと違う。
古いというより懐かしい。
昔見たから懐かしいんじゃなくて散りばめられてるテイストが懐かしいんです。
あんまり誉めてはいないですけど好きか嫌いかと聞かれれば好きな回です。
あー昭和は遠くなりにけり。


第24話 「バルディオス パワーアップ」
首藤剛志脚本 佐藤元コンテ 大庭寿太郎演出 
1980年12月8日放映


アルデバロンの新兵器に壊滅的な打撃を受けたバルディオス。
密かにパワーアップを進めるBFSだったが世界連盟の苛立ちは隠せない。
敵、見方双方を欺いた必死の攻防が続く中
生まれ変わったバルディオスは見事敵メカを粉砕し、世界連盟との絆も取り戻すのだった



スポンサーサービス回第2段!
今までも強かったバルディオスが更にパワーアップして敵をやっつけちゃうよ!
だからみんな玩具買ってね!!みたいな〜

最近の子供番組ですと放送途中で合体や変身のシステム変更→ニューバージョンの玩具発売
の流れも多いようですが、これは放送当初に売り出された玩具が一通り購入層にいきわたって(売れて)
さらに売りたいからこのような戦略を取るわけですよね。
しかしながら我らがバルディオスの場合多分、恐らく、それほど売れていなかった・・・・はずです。(涙)
バルディオスがパワーアップしても、パルサバーンの操縦方法が変わっても新しい玩具が発売されることはなかったと記憶しております。

実際問題、この頃は視聴率対策も真剣に検討されていたようです。
知り合いに譲っていただいた(感謝!)「バルディオス対策レポート」なるものが手元にあるのですが
涙ぐましいとも、こじつけっぽいとも言える今後の製作方針が書き連ねてあります。
(戦闘シーンを増やす、各話の戦闘シーンに特色を持たせる、などなど)
この資料の詳しい紹介(してもいいのかな〜汗)は後日に譲るとしまして
24話に関してもいくつか触れられているんです。

1)26話放送予定だった「バルディオスパワーアップ」を24話に繰り上げて放送
2)パワーアップ後に使用する新合体(現在のものを一部手直し)を現在作成中
3)戦闘シーンに「立て!バルディオス」を使用(勇ましく聞こえるため)
がそれで(2)と(3)に関しては見れば解りますよね。

ロマンアルバムやDVD−BOXの解説をお読みの方はご存知かと思いますが
バルディオスは幾つかの話数で製作ナンバーと放送ナンバーが違っています。
DVD−BOXの解説には
「諸般の事情により製作された順番とは異なる順番で放送された話
(第24話、第25話、第26話『製作は第25話、第26話、第24話の順』)が存在します」
とあるのですがこの変更は先の対策レポートを見る限り視聴率対策だったようです。
色々ご苦労されてるんですね・・・・(涙)

ちなみに市販の資料に載っていない変更回として本来19話だった「失われた惑星」を31話にずらした
と言うのもあります。
これは当初予定された26話完結だと19話に位置していたのをのを(地球=S−1の伏線の話なので)
39話に伸びたので洪水の前の31話に持ってきたのでは?と推測できます。

前置きが長くなっちゃいました。
恐らく「人間ドラマよりはバルディオスの活躍」の線で、外野も考慮しつつ作られたのでは?
と思うのですがその割には面白いんですよね、この話。
これは一体どういう理屈で?????と頭ひねりたくなっちゃうな戦闘シーンに加えただ逃げ回ってるだけのBFS基地
バルディオスもどこがどう強くなったのかいまいち解らなかったり(私だけ?)するのですが
この強引とも言える作りにテンポのいい作画と音楽が合わさって不思議と楽しく見れちゃいます。
(人間ドラマは絵が多少まずくても演出や声優さんの演技でカバーできるけど
戦闘シーンは作画が命なところもあるので)
単純にローテーションの関係だったのかもしれませんがやっぱり絵がいいと説得力があります。

毎回続いたら飽きちゃうかもしれないけど前後に濃い人間ドラマがあるのでちょうどいいアクセントになってるんじゃないでしょうか。
例によって突っ込みどころ満載でプって笑いながらも肩肘張らずに見れるのがイイのではないかと思います。


第25話 「ガットラー暗殺計画」
首藤剛志脚本 山室清二コンテ 石田昌平演出 
1980年12月14日放映


アフロディアの元にガットラー暗殺の密告がもたらされた。
明日に迫った地球侵攻一周年の記念式典が決行の場だと言う。
単身調査に乗り出すアフロディアだったが
聞かされたのは彼女の生い立ちに関するある疑惑だった。
動揺を隠し切れないアフロディア・・・だがこのままではガットラーは殺されてしまう!
アフロディアの身を挺した活躍で暗殺計画は未遂に終わるが
労うガットラーにアフロディアは言う。
「総統、私の両親を殺したのはあなたですか」と。


TVシリーズの中で一番完成度が高い話ってど〜れだ??
そう訊ねたらたいていの人は29話「地球氷河期作戦」をあげるのかな。
バルディオスって言ったら29話だもんね。
でもなー、ひねくれ者の私に言わせれば、この25話をNO1に挙げたいね!!
29話は単発エピソードだけど25話はストーリー全体に与える影響力がスゴイと思う。
25話があるとないとじゃー、見る者のアフロディア観が全然変わってきちゃうもの。

アフロディアの変心は企画段階で既に決まっていた事。
問題はそれをいかに効果的に伝えるか・・・ですよね。
そもそもなぜアフロディアはガットラーの腹心なのか。
他の部下とどう違うのか。
25話では今まで語られなかったアフロディアの半生が描かれたことによって
生き方により説得力が生まれ、深みのある人間に昇華していった・・と。
キャラ萌え的にもそそる話だしな〜

ただこのアフロディアの生い立ち話はみょ〜に突然出てくるんですよね。
最初から(設定として)決まっていたなら
これまでの流れの中で何かしら伏線があるのが自然だと思うし
現に番組開始当初の人物設定にはそんな事は一言も書かれていない・・・・

ご存知の方も多いと思いますが
バルディオスは当初26話(2クール以上)の契約で番組がスタートしたのですが
途中から3クールに延びた・・という経緯があります。
DVDーBOXの解説にある首藤剛志さんのインタビューでは
「酒井さんは話の初めと結末だけは考えていたんだけど、途中の話は特に考えていなかったみたいなんだ。
それで「適当にやっていいよ」って言われて」
とあるんです。
また前記のWEBアニメスタイルの首藤剛志さんの連載コラム
「シナリオえーだば創作術」第29回バルディオス愛憎改造計画・・・・・・・?」
には当初予定がなかったマリン、アフロディア関連のエピソード(「甦った悪魔(前後)」と「特攻メカ・ブロリラーの挑戦」)
を書くことになった・・・的なことが書かれています。
なので急に13本増えちゃったのもあいまってアイディアマンの首藤さんがアフロディアの人間性の裏づけとして
養父云々、暗殺云々の設定を放送途中にお一人で考えられたのではないかと邪推しております。

ちなみに「シナリオえーだば創作術」では「ガットラー暗殺計画」に関する記述はありません。
「甦った悪魔(前後)」「特攻メカ・ブロリラーの挑戦」と来たら次は暗殺計画じゃ〜ん!!
ってワクテカして待ってたのに肩すかしだったのですが
メインキャラの設定に踏みこんだお話なので逆に「私が一人で考えました」とは言いにくくて書かなかったのかなあ???
なーんてこれまた邪推しているのですがはてさて。
つーか、首藤さんの暗殺計画の裏話、読みたかったっすよ!!!!

バルディオスはごくごく一部に台本とフィルムがめちゃくちゃ違う回もあるのですが
首藤さんの担当回に関しては前記の「シナリオえーだば創作術」の第28回 『バルディオス』に香水を……
「ほとんどが1稿で決定……放送されたものも脚本通りだった。」
とあるように大きな変更はないようです。
何本か首藤さんの台本を持っていたり小田原で読んだりしたのですが
素人が言うのも申し訳ないのですが群を抜いて面白い。
とか言いながら「ガットラー暗殺計画」の台本は読んだことがないのですが
(小田原にもないみたいです〜涙)
常日ごろから首藤さんと広川さんが加わってくれなかったらバルディオスはもっとつまらないものになっていただろう・・・
と公言してはばからないワタクシなので言っちゃいます!
暗殺計画の台本も素晴らしく面白いものだったのでしょう。
やっぱりね、話がつまらないと見る気がうせるもの。
この話は何十回、何百回見てもやっぱり面白い。
首藤さんバルディオスに参加してくださって有難う!!!!!!!

さてそんな素晴らしい台本を料理するのはざーっとあげてコンテ、作画、演出、音声あたりでしょうか。
25話はご好意でコンテを譲っていただたので何年先になるかはわかりませんが
コンテ、演出は資料館の方で触れさせていただきたいと思っております。>ホントに何年先になるのだろう・・・・
作画はAパートの途中でZ5作画のアフロディアが突然が入りますが
(映画でも使われた自室ベットに横たわるシーンです)
その他はものすごくダメではないけれどものすごく綺麗でもない・・・かな。
それでもしみじみと、切々と各キャラクターの心情がにじみでて来るのは演出の細かさ、確かさの賜物ではないかしら。
25話はお話も面白いけど画力もある。
つーかバルディオスは製作サイドそれぞれが互いに互いを助け合ってると言うか
話も絵も演出もダメな回はないです。
つまんない話(失礼杉)でも他ががんばってるからつい見ちゃうし
絵がトンデモでも引き込んでしまう力があると思います。
もちろん全てがパーフェクトだったらそれに越したことはないんでしょうけど30年近く前の低予算のTVアニメだもん。
何か一つ荒が目に付いてもそこで引き返さずにもう一つ広い視野で見ていただくと
バルディオスのすごさ、素晴らしさが分かって頂けるのではないかと思います。

もうこの話は好きな回なので書いてくときりがないです。
なので最後にもう一つだけ25話の魅力をあげます。
それは神保さん。
神保さん、素晴らしい・・・

アフロディア役の神保なおみさんは実写出身の役者さんでアニメの主演は「くじらのホセフィーナ」のサンディ以来2本目。
「火の鳥2772愛のコスモゾーン」ですでに注目されていた塩沢さんよりも知名度は低く
実のところ神保さんのお名前はバルディオスで初めて知りました。
(「くじらのホセフィーナ」は見ていませんでした)
そんな新人の神保さんにとってアフロディアは実に難しい、つかみ所のないキャラだったのではないでしょうか。
ご自身もアニメージュ1981年8月号VOL38のインタビューで「アフロディア役は最後まで悩みどおし」
とおっしゃっているくらいです。

実際のところシリーズ初版は固くぎこちなく・・・
少なくとも達者な演技でない事はご覧の皆様も感じるところでしょう。
それが回を追うごとに滑らかになっていき
劇中のアフロディアも徐々に自分の内面を見つめるようになり、まるで呼応するように
深みを増していきます。
DVD−BOXの解説インタビューで広川監督も
「TV版の神保なおみさんが、彼女の持つ揺らぎも含めて作り上げてくれて印象深かったですね。」
とおっしゃっているのですが
20、21話「甦った悪魔(前後)」22話「特攻メカ・ブロリラーの挑戦」と続いたあとに
まるでアフロディアのためだけに書かれた一本、この「ガットラー暗殺計画」ですもの。
これに応えなきゃ役者じゃない!
こんな台本に巡りあえて幸せですよ・・・・・

25話を見たあとに最初の話を見ると
当初感じた硬ささえも、普通のお嬢さんだったのに片意地張って生きてきたんだなあと思えるから不思議。
これは偶然のなせる業だったのではないかと思いますが結果的に人物像を掘り下げる形になりました。
もうアフロディア、かわいそうでかわいそうで・・・
こんな風にしか生きられなくてほんとに・・・・

ほんとのところ、アフロディアなんて大嫌いなのですがこの話を見てしまうと
心情的に寄り添ってしまいますね・・・
やっぱり25話は素晴らしい。
好きな話はまた別にいくらでもあるのですが完成度、影響度NO1は25話。
5年ぶりにこのコーナーを更新する気になったのも久しぶりに見ちゃったからなんですよね。
恐るべし25話!!


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(2009年5月)