第5話「甦る復讐者」 
鈴木裕二脚本 蕪木登喜司コンテ 宮崎一哉演出 
1980/7/28放送


アルデバロンによる侵略は世界各地に渡っていた。
そんな中、技師アランは故国全滅の一報を受け
無断でキャタレンジャーに乗り込み単身適地に乗り込んでいく。
しかし規律違反のアランを待っていたのは連盟による裁判だった。
アラン死刑の判決に揺れるバルディオスチーム。
事にマリンの動揺は激しく個人行動を起こし、連盟を挑発してしまう。
美しい地球・・・その住人である地球人の出した結論にどうしても納得できなかったからだ。
が、アランは死んではいなかった。クインシュタインの計らいにより冷凍冬眠されていたのだった。
マリンは自分の非を認め涙を流すのだった・・・ 


2〜4話でBFSの仲間入りをしたマリンですがこの5〜6話あたりでは
Sー1星人であるマリンと地球人であるBFSが、いかにして絆を結んでいったか・・・
というような趣旨にそって作られた話なのではないかと思います。
この5話なんかでもマリンに対して結構キツイせりふが飛び交ってるんですね。
「君の星の人間どもが母や妹を殺そうとしているんだぞ。」 アラン
「お前、仲間をやっつけに行くのが気に入らないんだろう。元々Sー1星人だからな。」 雷太
と、どうにも冷たい・・・又、返すマリンも
「ただ地球の奴らを信用したいだけだ!」
と不信感丸出しです。
ちょうど挟まれる格好となったジェミーが慌ててフォローに入ったりと、
どうにもチームプレイにはほど遠いバルディオスチームです。
このアランのお話なんかは全体の流れの中では通過点に過ぎないエピソードですが、
こーゆー細かい描写がバルディオスの世界を支えているかなーという印象を受けます。
(でも絵はちょっと・・・かな・・・・笑)

私ら2人は基本的にマリンバカですからこういった見方になってしまうんですけど、
マリンという人はつくづく純粋というか、気持ちの美しい青年ですね。
彼の生まれ育ったSー1星は犯罪やテロが横行するとても荒れた社会だったようです。
1話のアフロディアの言動(ガットラーへの報告「後は単なる政治犯なのでその場処分しました。」)
からもそれは十分伺えます。
15話「偽りの平和会議」でも体制を批判する放送をしたエミーに
「地球ではこんな報道が許されるのか・・・」と驚いていたほどですからね。
言ってみればこういった状況には慣れていたはず・・・です。
いきなり死刑判決をだす世界連盟も無謀と言えば無謀か?
という気もしますが、もうこの時点でBFSは実質「軍隊化」しています。
後に引き起こされる大洪水に際しても月影はじめ体制トップの命令は「私情は捨てろ。」でした。
これからの戦いにそなえる意味でも命令違反のアランに対して厳罰を課すのは仕方のないこと、です。
でもマリンにはそれが許せません。どうしても納得できない・・・

マリンは子供の頃から憧れた、父親と再生を願っていた「青い海」に全ての理想を追ってしまったのではないでしょうか・・ね?
この海を守りたい、父親の敵を討ちたいと、ただそれだけの気持ちで戦ってしまった・・・
けれどもそこに待っているのは生々しい現実だったりする。
特別、軍人になるための教育も受けては来なかった一青年が巻き込まれてしまった大戦争。
揺れるマリンの気持ちはいかに・・・・
塩沢さんの好演も光っています。

余談ですがアランは打ちきり、未制作となった36話「アフロディアに花束を(後編)」にも出てきます。
(アフロディアに撃ち殺される役所だったりする・・・結局死ぬのね・・・
あとは最終回ラスト、遺跡での幻影シーンに登場)
アランの髪の毛の色はアフロディアと同じ緑色。
通常、主役クラスの髪色は重ならない物ですから、
この時点でのアラン再登場は決まっていなかったのかも知れませんね。
(洪水後の少なくなった隊員の中から、更にここで死んでも問題のない人物・・・
ってのがアランだったのかな?)
もし打ち切りがなかったら同一画面にこの2人の登場するシーンもあったはずで、
なんかそれって色的にキツイ気もいたします。
それとも(全39話の中で緑の髪ってこの2人だけだから)
お互いに「アレ??同じじゃん??」とか思ったり・・・
ってそんな余裕のあるシーンでは無いわけですが。(笑)


第6話「灼熱の決死圏」 
首藤剛志脚本 野寺三郎コンテ 二階堂主水演出 
1980/8/4放送


アルデバロンの次なる攻撃は地球の火山帯を利用した物だった。
世界各地で頻発する謎の自然災害。
調査を命じられたバルディオスチームだが、逆にオリバーを捕虜に取られてしまう。
救出を願うBFSだが連盟はそれを許さなかった。
反磁力爆弾が使用された今、オリバー救出の可能性は低い・・・
だがマリン、雷太、ジェミーは一致協力の下無事オリバーを救い出し敵を殲滅させるのだった。


5話に引き続き「信頼」がテーマの第6話。
そもそもオリバーが捕虜になったのもマリンをかばってのことですし、意気に通じる達のマリンが
「地球はどうなっても良い。」と言い切るのもうなずけます。
やはりマリンが戦うのは「お父さんの敵討ち」であり「青い海を守る」為であり
時には「ある誰かのために」といった個人的な事情からなんですね。
地球の平和を守るために選りすぐられたBFSとはワケが違う・・・
後にアフロディアを(わざと)取り逃がしてしまう、といった問題行動を起こすマリンですが、
彼がなぜ戦うか・・・を考えてみるとそれも一理ある・・のか???って・・・ハッ!!!
今回、オリバーの話だった!
全国のオリバーファンの皆さん、ごめんなさい。(←いないって!)
しょうがない・・オリバーのことも書こう・・・・

この6話あたりから本筋とは関係ない「キャラクター紹介」的なお話が入ってきます。
で、今回はオリバー編。
これまでの流れで紅一点のジェミーがマリンに恋をしてしまった・・・
ということは描かれていたのですが、実はこのオリバーは又、ジェミーに片思いであった!
というショーゲキの事実(おいっ)が証されてしまうんですね。
フツーならこの6話なんて「みんなで協力して良かったね♪」てなモンなのに、
こういった恋愛感情が入ってくるから話がややこしくなる・・
マリンも妙にオリバーに気を使ってるしなあ・・・
ジェミーの好意はありがたい物の今は「ウザイ」ってな所でしょうかね。
ラスト近く、マリンの「あいつ(オリバー)はいい奴だ。」に対して「いい人よ・・・でも・・・・」とジェミー。
はーーーーーーーーーーーーーーーー−
男の言う「いい奴」と女の言う「いい人」は意味が違うっ!!
しょうがないなあ・・みんな若くって。
挙げ句の果てに想いが伝わらないからってジェミーの捨てゼリフ!「あなたは異星人よっ!」
そ・・・そんな〜〜〜〜〜〜〜笑
ひでーな、ジェミー!!
だいたいBFS基地って隊員106人しかいないんですよ!(少ないな〜)
そんな人数で惚れた、ハレタをやってるんだからトラブッて当然!
後にジェミーとマリンの仲を軌道修正しようとするくらい世話焼きの月影、クインシュタインなんですからそれくらいのことは配慮してもらいたいですね。
せめてバルディオスチームにもう一人、妙齢の女性でも入れときゃー、もう少しうまくいっただろうに。
肝心の所で気が利かないね、この2人は。

ああ、またオリバーから話がそれてしまった。
マリンをかばい捕虜になり、洗脳にも耐えてがんばったあげくにジェミーにはいい人扱いだし・・・・涙・・・・
ところでオリバーといえば鈴木清信さん。
実はマリン役は塩沢さん、鈴木さん、塩谷翼さんの3人で競合してたんですよね。
だからオリバーの話だと「この人がマリンだったらどんなかな〜」って思ってしまう事、たびたび。
どうですかね??オリバーの声のマリン・・・意外にもっと悩まない人生だったかな??


第7話「愛の墓標」 
筒井ともみ脚本 宮崎一哉コンテ 宮崎一哉演出 
1980/8/11放送


アフロディアは連盟を追われ、今は酒に溺れる科学者ネルドを抱き込み
ロストスペースボムで攻撃を仕掛けてきた。
新兵器を前に戦うすべのないバルディオス。
だが亜空間から反撃しようとするマリンは、
クインシュタインからできあがったばかりの対ロストスペース用バリアーを受け取る。
ネルドとクインシュタインはかつては将来を誓い合った仲だったが、
今は歩む道がかけ離れてしまった・・・
狂気と化したネルドを撃ったのはクインシュタインだった。


「個人エピソード、クインシュタイン編」の7話。
美貌の科学者クインシュタインには実は意外な過去が・・・・みたいなお話です。
でもねえ・・・博士の男関係って言ったらやっぱりデビットでしょう!
あとは月影・・・マリン・・ってな所かな?
(この回のマリンも相変わらず上司とは思えないなれなれしい口振りだ)
ネルド・・ネルドねえ・・まあ、そんな人もいましたね、って所でしょうかねえ。
ところでネルドの開発した「ロストスペースボム」は津波の抑制にも効果がある・・とか??
え?じゃあ、ネルドが生きているなり改心するなりしていたら、
後に引き起こされる洪水の被害を食い止めることもできた・・のか??
でもちょっと期待できそうにないですね〜
この話を見る限りではろくでもない男なわけだし・・・
博士ってつくづく甘い男が好きなのね・・・
ま、ネルドとつき合っていた時期には
すでに中学生くらい?のデビットに思いを寄せられていたわけだしさ、
大人の女にゃー、それなりの過去がある・・・ッテ事で。

大人の女といえばこの回で初めてアフロディアが
髪を下ろしてイヤリングをしている姿が冒頭に出てきますね。
アフロディアというキャラは、エンディングや22話「特攻メカ ブロリラーの挑戦」
に出てくるオレンジ色の私服姿のデザインを最初に作り、
それを元にスタッフが意見を出し合って作ったのが軍服姿なのだそうです。
つまり「女、アフロディア」をたたき台にして、
その女の部分を上手にそぎ落としていったのが軍服姿・・と言う事になるのでしょうか。
お話の方向性をある程度プレゼンする意味でも
この回あたりで女っぽい姿のアフロディアを登場させたのかもしれません。
ラスト付近で流れる挿入歌「星空の虹」も本当はアフロディアのマリンへの思いを歌った歌ですし、
もし打ち切りが無くて「アフロディアに花束を(前・後編)」が作られていたら
この曲がどこかで使われていたかも知れないですね・・
見たかったな。

ところで次の8話はスタジオZ5作品ということでシリーズを通して評価の高い回ですが、
反してこの2〜7話の作画レベルの低さと言ったら・・
トホホです・・・・
顔が違う、なんてもんじゃない。
7話と8話なんて「違う作品」と言われてもしょうがないほどに作画に差があります。
バルディオスは(良い話なのに)作画で損をしている、とはよく言われることですよね。
じゃあ、なんでそんなになっちゃったのか???
特にシリーズ前半に置いてその傾向があります。
後に同人誌のインタビューなんかでスタッフの方がおっしゃるには
やはり「時間がなかった。」のだそうです。
「スケジュール優先の名の下に次々と見逃されるリテイクをしぶしぶながらOKした。」ともあります。

葦プロは当時レギュラー番組で「ずっこけないと ドンデラマンチャ」も抱えていたんですね。
「ドンデラ〜」の最終回は80年9月23日なのですが、バルディオスに集中できるようになったのか、それ以降は少しレベルが上がっているようにも思えます。
小さなプロダクションがレギュラー2つはやはり大変なことですから、
ここら辺でも何か事情があったのかもしれないですね。

で、この7話なんですがこの回のクインシュタインって誰かに似ていませんか???
特にラスト近く、シルベリアで黒いコートを着ている姿。これってまるっきりメー○ルですよね。(笑)
この回は東○で作画したのだそうです。
まあ東○くらいならまだ良いんですけど、
国外のアニメーターにも下請けに出していたそうで、やはりお国柄からか絵が随分違います。
(韓国だそうです)
作画監督の田中さんも「向こうの人は絵が違う。微妙な所在が描きこなせない。」
とおっしゃっています。
まあそんなこんなで絵を統一させるだけで精一杯だったんだそうです。

さて、なんだか悪口ばっかり並べ立てちゃったみたいですけど意外や意外!
バルディオスのアフレコはかなり絵がそろっていたんだそうです。
80年11月の同人誌のインタビューでマリン役の塩沢兼人さんがバルディオスのアフレコに対して
「ほとんどあると言っていい。絵が90何%と言えるほどにある。」とおっしゃっているんですね。
で、比較対照として同時期レギュラーだった「イ○オン」「ヤ○ト3」と比べて
「イ○オンは、ヤ○トよりはある。ヤ○トは一番絵がない。」ともおっしゃっています。
全体のスケジュールの遅れや、よりよい絵を出すためにアフレコに絵が間に合わなかった。
これは当時さほど珍しいことでは無かったと思います。
しかし絵のないアフレコは声優さんにはやりにくいでしょう。
さらに言えば最終的な画面にも必ず出ることです。
アフレコに絵があったのもシリーズ通しての事ではなかったかもしれませんが、
ぎりぎりのスケジュールの中これはこれで凄いことですよね?

「バルディオスは絵が酷い。」
これは事実だけどそれだけで片づけてしまいたくない気もするんです。
意地悪な目で見たらどこもかしこも突っ込みがいのある荒い作品だけど、
それでも伝わってくる何かがあると思います。
何か新しいことをやってみよう、制約の中でも可能な限り自分たちの作りたい物を作ろう。
そんな情熱が伝わってくるような気がするんですね。
そんな目で見るとお月様のようなまんまるフェイスのマリンもステキに見えてくるからあら、不思議♪
韓国下請けマリンだって愛しく思えてしまうのは私たちだけ・・・かな・・・


第8話「ヒマラー山脈の決闘」 
酒井あきよし脚本 野寺三郎コンテ 広川和之演出
1980/8/18放送


「要塞・・・・・」そうつぶやいて男が死んだ。
アフロディアは部下ガロを率いてヒマラー山脈に巨大な移動要塞を築いていたのだった。
マリンは単身、適地に潜入。
途中、傷ついた少女を助けつつも勝利を収めるのだった。


わーい、8話だ。この話は絵本の題材になるだけあって勧善懲悪っぽい、明るいお話ですね。
悲壮感ただようシリーズ中、異質とも取れる明るさ・・・
これは(マリンの置かれた状況から見ても)メチャクチャ明るいようなアクションはさけよう、
という方針だったからなのだそうです。
(確かに1話〜7話まで・・・これでもかっ!ちゅーくらい暗い話が続きますよね?)
でもやってみるとさすがに暗すぎるんで、マリンも地球にうち解けてきた??ということで
「せめてアクション部分だけでも明るい話を作りましょう!」という意図の元、
わざと明るめに作られたのがこの8話なのだそうです。
BFSの面々とも軽口の一つも叩けるようになった余裕たっぷりのマリンも妙に可愛い♪
マリンってホントはこんな人だったのかあ・・・そんな気すらしてきます。
珍しいマリンのアクションシーン(亀垣さん作)、明るいセリフ回し、
秘密兵器(これがウワサのシークレット9です)少女を助けて要塞を破壊、
といった「ロボットアニメとはこうあるべし!」みたいな単純明快な作りになっていると思います。

そして8話と言えばスタジオZ5。
この8話は本橋秀之さんの実質、初作監督作品なのだそうです。(メカ作監のぞく。)
広川監督はバルディオスの前にも平山智さん、亀垣一さんとはお仕事でご一緒されたことがあり
Z5には格別の信頼を寄せていたようです。
「お任せ感覚」とでも言うのでしょうか??
好きにやらせてより良く作ってくる作画チームとしてあまり細かい指示はされなかったそうです。

Z5が直接作画に関わったのはこの8話と16話「悪夢からの脱出」、
29話「地球氷河期作戦」の3本だけです。
(後は打ちきり未制作となった36話「アフロディアに花束を (後編)」)
でもでも、細かく見ていくとシリーズのあちこちに間接的に関わっているんですね。
この回ゲストのガロ(キャラクターデザイン/本橋さん)も少女(キャラクターデザイン/平山さん)も
後にそろって再登場しますし
(ガロは双子の弟、ネグロス と形を変えてですが)
アルデバロンの一般兵士と士官クラス?(この回で言えばガロ)のコスチュームなんかもこの8話あたりを境に変わっているんですね。
戦闘シーンや新旧合体シーンは亀垣さんの意見を採り入れて作ったそうですしその影響は大きいです。
(映画化の時もファンの要請に応える形でZ5の参加が決まったそうですしね。)

8話に関してはあんまり感想って無いんですよ・・・
「マリン、かっこいー!!」「良く動くなー」「絵がキレイっっ」ってこれくらい?
あ、あと「少女が可愛いなあ♪」とか??
でもそれが正しい?見方かな、という気も・・・・
肩肘張らずに安心して見れる楽しいお話、それでいいんじゃないかなーって。


第9話「巡り会い。そして・・・」 
筒井ともみ脚本 田中修司コンテ 田中修司演出 
1980/8/25放送


新エネルギー「ガウラーX」を巡り産出国のレニアは単独でアルデバロンに全面降伏してしまう。
同士討ちをさけるため国王バードの説得に向かう途中、
ジェミーは彼こそまだ見ぬ父である事実を知り愕然とする。
自らで決着をつけるべく国王暗殺を志願したジェミー。
だが敵地で自爆するつもりだ、との真意を知ったマリン達バルディオスの活躍によりバードは救われ
父子は再び絆を取り戻す・・・


全てがパーフェクトな8話の次に位置してしまったため・・・か、
色々と目に入ってしまう 「個人エピソード ジェミー編」の9話。
いいお話なのに何とも惜しい・・・
とりあえずマリンにはブーツの上から包帯を巻くのと(どこでケガしたんだろうね・・・)
サーベルを杖代わりにするのは止めてもらいたい・・

あら探しはこれくらいにして・・
ジェミーは(本編では詳しく触れられていませんが)
未婚のまま彼女を産んだ母 ルイーザに死に別れ、その後養育してくれた保護者
(お母さんの知り合いだとか)にも13歳で死別、
養護施設を経て15歳でBFSに志願した・・・と設定されています。
一見、天真爛漫(すぎる?)に見えるジェミーですが結構苦労しているワケなんですね。
持って生まれた明るさやのんきさ、苦労したためかとっても芯が強いジェミーの魅力が出ている回で
ジェミー役の横沢啓子さんもお気に入りのお話なんだそうです。
本放送当時はジェミーってマリンの周りをうろちょろするかわいこぶりっこ!
ぐらいにしか思えなかったんですが
大人になって見直すようになってからは不思議と好きになってしまいました。
塩沢さんがインタビューなどで「アフロディアとだったらジェミーの方が可愛くていい。」
っておっしゃっていた意味がこの年になってようやく解ったってことですかね?

ただそのジェミーの魅力・・・とでも言う物がシリーズ全体では描き切れていないのも事実・・・かなあ??
紅一点でどう考えてもヒロインなのに・・・
っていうか、ジェミーと言うキャラは「お話に明るさを出す役割」を背負っちゃってるようなんです。
ロボット物にありがちな子供をギャグメーカーとして使って
ムリヤリ明るさを出すのは止めよう、という意図だったそうで
リアルなお話にふさわしい、恥ずかしくない程度に「三の線」を演じてもらうのもジェミーの役割・・・
6話「灼熱の決死圏」では露骨に顔を赤らめて笑わせてくれたり、
26話「謎の宇宙生命体」ではシャワーを浴びているところを男3人
(って言ったらあの3人です・・・)に踏み込まれたり、と何とも可哀想です・・・・
その他にもジェミーがバカっぽく見えるのは
あの体丸出しでショッキングピンクの衣装にも問題が有るような気がします。
この8話で出てくるレニア国の軍服を着た姿は可愛いじゃないですか??
禁欲的な軍服姿のアフロディアと大人の魅力炸裂!のクインシュタインに挟まれて
ちょっと居場所がないようなジェミーちゃんです。
これじゃあ若いマリンにはジェミーの良さなんて解らないのもしょうがない・・・か?
いい娘なのになあ・・・

ジェミーってお母さん似なのかなあ・・って思うのはラスト近くでバード国王に
「マリンが好きなのか?」と聞かれて即答できない姿が出て来る所。
バード国王はヒーロー然としたマリンを、かつて国情が良くなかったレニアから留学に来て
スポーツカー乗り回していたお気楽な自分の姿を見たような気がするからです。
自分一人の力でアルデバロンをやっつけようとした夢見がちな所もなんだかマリンに似ています。
ジェミーとお母さんは親子でよく似たタイプの殿方にいかれちゃったのかな??
母ルイーザの方はバードとは別れる事にはなった物のそれなりに幸せであった様な気がします。
もっと違う性格の女性だったら「捨てらたあげくに私一人でこんな苦労を・・・」
と嘆くところでしょうけどジェミーのことを
「ステキなパートナーを得た。」って報告してるくらいです物ね。
そんな感じでジェミーを育てたのかニャ?見習いたいモンだ。
一方のジェミーの方はというと・・・・・ちょっと可哀想でコメントできません。(笑)
ま、その話は又別のお話・・・・

      

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(2002年2月)