鳥海永行さんの映画コンテ(映画設定資料)2 | ||
映画設定資料集に鳥海永行さんの映画ラスト部分のコンテが載ってるのですが その中の最後の2枚はカットされていた・・ と言うのが前回までです。 映画で使われてないコンテ版ラスト 映画のラストだとバットエンドなのはしょうがないとしても、画面が真っ暗で気が滅入るのに 説明不足&急展開なまま終わってしまうので 「え!?これで終わり??津波も核爆発もあったのに元気な灯台だな」 ってそれまで、しんみりしてたのに素に戻されてあきれ返ってしまう・・・ような気がします・・・よ? このコンテのラストだったら後味はよくなるのかしら?? でも絶命アフロ 落涙キラキラからこのイメージシーンになって「終」でも唐突ですよね。 主題歌の「素顔のままで」にも合わないし。 まあ、でも描いたコンテが全部使われるなんてまず無いし、ラストの変更なんてよくある事ですよ。 ただこれ、カットと言っても別のシーンになって活かされてるようです。 |
資料館で紹介済みの35話コンテ(湯山邦彦さん作)冒頭2枚 アフロディアの見る夢のシーンです。 とても似てるので鳥海さん この35話コンテを参考にしたのではないかと思いました。 まあ、海辺でイチャコラって言ったら似ちゃうのかな?
これは近代映画社 ジ・アニメ1982年1月号掲載の鳥海さんのコンテです。 元が小さいので分かりにくいのですが No229(右) NO230(左) アルゴルを脱出した二人が灯台にたどり着く→マリン抱いてたアフロを下ろす→二人とも倒れこむ~ アフロの夢のシーン(挿入歌)のシーンです。 ここは映画と変更ないのですが C-737 C-738 セリフのところに「思い出ブルードリーム」の歌詞が書いてあるんです。 映画だとここのカット ちょうどイントロの部分で歌詞は被っていません。 以前カットされた鳥海さんコンテのラスト2枚について広川和之さんから 「アフロディアの夢のシーンで、結局いのまたむつみさんのイラストに差し変わった部分だと思います」 とお聞きした事があるんです。 確かに資料集に載ってるコンテのCー690は 映画に使われたいのまたさんのイラストと構図が似てます。
戸田恵子さんがキャスティングされた時点で挿入歌の制作と映画での使用は既定路線だったと思います。 (当時の長編アニメで挿入歌はお約束 レコード会社も潤う) 「差し変わった」との広川さんの発言ですが映画を見ると納得なんですね。 この「思い出ブルードリーム」が流れるシーン2分くらいありまして、結構長い。 挿入歌をバックのイメージシーンなので ドラマ的な動きがあるわけでもなく ただ二人がキャッキャウフフしてるだけです。 だからそれだけの時間 保つ絵 じゃないと苦しいんですよ。 で、ここのアニメ部分なんですが~ 映画バルディオスは1本の映画なのに作画の統一が果たされてなく ここも新作作画なのですが他のシーンとの差が激しい。 なんかこう・・・コレジャナイ感が漂う有様で 正直言ってこのアニメで2分 二人でイチャコラしてたら流石に苦しくて、いのまたさんにイラストを頼んだのではないか・・ と思いました。 で、参考として(こんな感じでって)コンテを見せたから構図が似てるのかな、って。 私は映画は否定的なんですが映画化されて良かった事の1つが この、いのまたさんの夢のイラストです。 ホントに綺麗でメロディにも戸田さんの歌声にもあってて これが見れただけで映画の料金はペイ出来ると思っています。 公開終了後も見返したかったんですが複数出たムック本のどれ一つとして 映画グッズの絵葉書もパンフにもこのイラスト、載ってないんです。 絶対的に映画バルディオスの売りになるイラストなので疑問だったのですが 差し替えがぎりぎりで締め切りに間に合わなかったのかも? と考えると理屈が合います。 パンフに載せたら、売上も変わったんじゃないかと思うんですけどね。 (ちなみに当時発売された関連商品では サンケイ出版 ワクワクフィルムコミックス 映画版宇宙戦士バルディオス3 にだけ載ってます) ただ このイラストが素晴らしすぎて イラストの前後に挿入されるアニメや 後に続くアフロがガットラ―に押し倒されるイメージシーンとの差が激しくて バランスは悪くなってしまった・・・・とも思うんですけどね。 |
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(2021年12月)