映画予告のカットはどこから? 2 | ||||||||||||
第5回 映画予告のカットはどこから?の続きです。 前回は TV,映画未使用のTV未制作35話「アフロディアに花束を」相当のカット について触れましたが今回はTV、映画未使用の謎カット についてです。
開始後1分15秒くらいから5秒くらい 画面左のガットラ―に重なるようにアフロディア 二人の周りに散るバラの花 やがてガットラ―は消えてアフロディアだけになります。 これ、映画のパンフにも使われているので見覚えある方も多いかも?
予告もパンフも葦プロが作ってるわけじゃないとおもうので (映画の予告は特別なセンスが問われるから 専門の会社が作ることが多いそうです) 材料として提供する程度に厳選した、意味のあるカットなんじゃないか・・・と思うんですよ。 ガットラ―の方はよくある絵なので もしかしたらTVシリーズで使われてるかも? ですが アフロの方は特徴があるので(髪をおろしてイヤリング)すぐ分かります。 一応 可能性のある話は見てみたんですが使われてない。 絵は田中保さんだと思うんですが84年発行の同人誌に田中保さんのインタビューが載ってまして 「映画ではどのカットを描かれたのですか?」の問いに対して 「あの・・・海辺でマリンとクインシュタインのやりとりの・・・ 海岸とか砂浜とかあの辺・・・ アフロディアのベットのシーン、ゲンソ―みたいなの。 あんまりやらなかった・・・50カットくらいかな・・・」 と答えてらっしゃいます。 映画の該当シーンを見てみると、がっつり作画監督の芦田豊雄さんの修正が入っていて(多分) TVで見慣れた田中さんの絵ではないです。 なので映画本編でカットされた映画のための新作画ではないと思うんです。 だとするとTVからの流用?なんですが放送分では使われてません。 放映済みの1~31までで編集カットされたシーンも考えられるわけですが 新作映画の予告にTVで編集カットされたの使いますかね?? 一度は切り捨てたわけですから、それもどうかな、と。 アフロディアとガットラ―の関係を描いた25話「ガットラ―暗殺計画(作画監督 田中保さん」 の編集カットされた未使用分の可能性も考えてみました。 (ここだと内容的にも作画的にもあっても不自然ではない) 25話もコンテを持ってるですが該当のカットは無いです。 加えて広川和之さんから 「25話は作ってみたら尺が少し足りなくなってしまったので 16話「悪夢からの脱出」で使用予定だったけど、こちらは尺がオーバーしてカットしてしまった アフロディアが軍帽、手袋、サングラスを外し、ベットに横たわって腕を顔にあて、目をつむるシーンを追加して尺を合わせた。 明らかに絵が違うので不自然だけど内容的にあってるから良しとした。」 と伺った事があるんです。 このシーンは映画でも使われてるので見覚えのある方も多いのではないでしょうか。 (本橋秀之さん作画 ちょっとベルばらのオスカルを思わせる作画です) 尺が足りなくて困った回ならここからカットされたとは考えにくい。 ただのカンなんですが、これも「映画の予告はどこから1」のように 元は未制作35話「アフロディに花束を(前)」だったんじゃないでしょうか?? 35話の作画観監督は田中保さんで、豪華本等の残された資料から35話の絵を見てみると この予告のカットとも似ています。 (資料館35話の図版を参照してください) 35話のコンテに該当の構図、キャラのカットは無いんですが コンテから作画に移る段階で変わったのかもしれないし アフロディアの心理描写っぽいので内容的にも35話に合うんですよね。 映画は売りとして 幻の未放映部分を公開 な所があったので 新作カットの他に作画の終わっていた35話を多く提供した可能性は大きいと思います。 証拠を上げられなかったのでただの推測ですが 私はこれも未制作35話「アフロディアに花束を(前)」からの流用カットだと思っています。 |
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(2021年12月)