指導者VSサレ男 どっちがお好き?ガットラー(こんなに違うTVと映画4) |
キャラクター造形の違い ガットラ―編です。 映画はマリンとアフロの悲恋、スペースラブロマンなので役割的に当て馬です。 これは映画を見れば分かるのですが肝心のTV版。 シリーズ中、ガットラ―の一番の見せ場で一気に株をあげるシーンがあるのですが これが最終回の39話なのでその良さが伝わってないんですー ラスボス、ガットラ―と主人公マリンの対決はガットラ―のしたたかさと 敗者マリンの脆さを浮き彫りにしています。 対照的な2人はどちらも魅力的で最終章にふさわしくスケールがデカい。 ・・・そして映画にも同様のシーンがあるのですがTVと真逆の行動を取っていたりします。 TVと映画で一番キャラの差が激しいのが実はガットラ―なんじゃないですかね。 それではいきましょう、漢ガットラ―が伝わるTV版からです。 |
TV版 |
39話は生き残ったマリン、オリバー、ジェミー、博士が世界連盟のシェルターにたどり着き 地上に残された人々を救出、連盟職員と共に生き残りを模索。 (双方、共倒れの停戦状態) ガットラ―の冷凍エリアが宇宙に残っている事実を知ってしまったマリンは 打倒ガットラ―のために誰にも告げず 単身パルサバーンで冷凍エリアに乗り込んでいきます。 S-1星人としてその責任を果たすため、です。 |
冷凍エリアでガットラ―と遭遇したマリンは決意と共にガットラ―を殺そうとしますが 自分を殺せば冬眠状態のS-1星人をも殺す事になると言われてしまい・・・ |
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マリンは銃を捨てガットラ―に向かっていきます。 C-153 「口惜しそうに銃を叩きつけて」 ここ大事です。 口惜しいけどガットラ―の言う通りで、それはマリンも認めざるおえない。 地球の人々の真の平和のために仲間を捨ててまでやって来たのに宿敵ガットラ―を殺せない。 ガットラ―を殺して眠れるS-1星人を自らが率いていこうとは考えられないんです。 それがマリンです。 ガットラ―を倒せばケリが着く、解決すると思っていた・・・ かまわず殺っちまえよ! 言うは簡単ですがマリンにはそれが出来ない。 それがマリンの弱さであり正義なんです。 そしてそんなマリンだから、ガットラ―の傀儡だったアフロディアは自分を取り戻し人間に戻れました。 C-156 一方のガットラ―は大人の余裕・・・笑みさえ浮かべています。 透過光?入射光が入っていますが、これはガットラ―の自信、余裕を見せる演出で 同じ効果の入ったC-79とは対照的に感じます。 |
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マリンはガットラ―を殴ります。 殴る、殴る、殴る。 回数にしたら多いけど正直、効いてるとは思えない描写です。 マリンは渾身の力で殴るのにダメージを与えられないのはマリンが弱いからじゃない。 ガットラ―が身体的に有利なのもあるけど、痛みを受け入れる覚悟が出来てるからだろうと感じます。 ガットラ―だって地球を汚染させた事を悔やんでる。 部下も全て死なせた。 でもそれを責めてくれる人すら居ない状態なんですよ。 (マリンがエリアに来る前にアフロの遺影を前に自らの行いを振り返るシーンがあるんです) |
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マリンに好きなだけ殴らせて投げ飛ばす。 C-166 バタつくマリン まるで大人と子供です。 勝負にもならない。 |
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C-171 勝負ありで殴る事も出来なくなったマリンは再びガットラ―を指さし責めます。 「貴様は、貴様は!平和と安住の地を知らないあわれな宇宙の巡礼だ!」 C-172 ちょと遠くを見るガットラ― 「それでもいい・・・地球にはもう住めぬ・・・」 再びマリンを見る 「マリン お前も来ないか」 これですよ・・・・ 自分を憎み、殺しに来たマリンさえも目的のためには引き入れようとするしたたかさ。 C-174 あおり気味の構図もカッコイイ。 ガットラ―の望み、それは S-1星人の安住の地を見つけ、武力で奪ってでも定住する事。 冬眠されたS-1星人を甦らすに必要なエネルギーを得る事。 成し遂げるにはあまりに困難です。 たとえマリンだろうと使える者は使いこなす覚悟も自信も持ってる。 ノープランで乗り込んできて負けた挙句、殴って口撃するだけのマリンとは器が違うんです。 もちろんマリンは受け入れません。 だからと言って固執することなくガットラ―は一人旅立ちます。 マリンにこの場を立ち去るよう警告した上で、です。 ガットラ―的にも今更マリンを殺しても意味がないですからね・・・ お前はお前で好きにしろ、ともう相手にもしない。 独裁ではあるけどガットラ―はちゃんと指導者で上に立つ人間として描かれています。 ただの若造のマリンとは対照的です。 これがTVのガットラ―。 ちょっと惚れ直しちゃうでしょ。 マリンの真っすぐな若さも際立ってます。 映画は真逆で情けない・・・ 真面目に語れないのでおふざけでいきます。 けどマリン同様、敗者の魅力が無いわけでもないのデス。 |
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劇場版 | |||
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地球人として(まだ言ってる('_'))冷凍エリアに乗り込んだマリンはガットラ―を見つけ出し銃を向けます。 殺す気で来ました。 でも引き金を引こうとした瞬間ガットラ―に自分を殺せば残されたSー1星人が・・ と告げられ戦意喪失。 マリンが思わず銃を持つ腕を下げたところ、いつも手に持ってた杖?勺?を投げつけ銃を落とします。 映画ガットラ―は戦意喪失したマリンが自ら銃を手放す可能性を待たずに先制しています。 マウントでも防衛の意味でも間違ってはいない。 |
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銃を拾い上げたガットラ―は銃口をマリンに向けます。 ここのセリフは 「ハハハ・・・甘いな、マリン」 です。 本気で殺すようには見えない。 次のカットで壇上から降りてマリンに近づき、さらに銃を突きつけてるので殺意はあるのでしょうが 生殺与奪を握ってる事実を突きつけ、威嚇又はいたぶってるように思えます。 やってる事は間違ってないんですよ。 銃を向けられたのだから向け返した。 ただ、武器を使わずに己の体一つで立ち向かったTVに比べると小物感が漂ってしまうのは否めない。 |
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ヤバイ・・・アフロディアが出てきてしまいました。 ラスボスと主人公が戦ってるんだからお前は死んでろ(ヒドイ)、出てくんな!! なんですがスペースラブロマンだからしょうがない。 絵づら的にも一気にワルモノ感が出てしまいました。 次のシーンでガットラ―はアフロに銃を握らせマリン殺害を促します。 男2人でやりあってた時はそれほど感じなかった殺意がむき出しです。 弟の仇を打たせてやる大義名分があるとは言え、敵であるマリンさえ引き込もうとしたTVガットラーにあった柔軟さ、したたかさは感じられない。 この3人で仲良くやれ、とは言わないけど邪魔者は消して2人でウハウハやろーぜ! ってあからさまにされたら萎える・・・ マリンを撃てないアフロに対して 「宇宙は我ら2人の物だ、撃て」 のセリフがあるのですが、それじゃただのワルモノでは?? 眠れるS-1星人の他は互いしか居ないって・・・フツーに地獄っす。 仇云々よりもS-1星人への責任感に訴えたほうが効果的なんじゃないですかね?? TVのガットラ―はその辺も十分分かってて、その上でマリンを引き込もうとしたんじゃないかな。 一人も地獄、2人も地獄。同じ地獄なら手は多いほうが良い。 わしも妥協はするから一緒に地獄へ行こう・・・って 映画のガットラ―はパラダイスみたいに言ってるけど たった2人で我らの物とか言われてもなー まあ、アフロが出てきて自分の元に真っすぐ向かってきたからはっちゃけたんすかね? ガットラ―的には1人よりアフロと2人の方が絶対良いし、そしたらマリンは邪魔だし。 気持ちは十分、分かるんだけど余裕の無さを感じてしまいます。 マリンとガットラ― 互いに信じる正義のために戦っていたのにアフロが出てきて一気に昼ドラ展開ですよ。 イデオロギーのぶつかり合いだったのに女の取り合いになってしまいました・・・・ (本人にその気がなくても) |
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逆らえない対象(ガットラ―)から撃てと命じられたがマリンは撃てない。 でも(アフロ的に)撃たなければいけないからガットラ―を撃った。 映画は好きじゃないしここでアフロが出てくるのもイヤなんですが、この理屈は納得できます。 ここ、作画も良いですよね、アフロの無表情っぷりがイイ。 映画のアフロはガットラ―に凌辱されてる?とも取れるシーンがあって そこも好きじゃないんですが、このシーンがあることで生きてきます。 ここら辺の作画は福田皖さんです(多分) 映画ガットラ―かわいそうですねー、当て馬だからしょうがないんだけど。 「マリン・・・わしの完全な負けだ」のセリフも続きます。 続くんですが映画ガットラ―は何に負けたのかがイマイチわからんですよ。 女の取り合いに負けたんすかね? この後ガットラ―はワープシステムを起動させて飛び立つのですが 普通に考えて死にますよね、この傷では。 S-1星人の新天地は探せそうにないのでその意味も含んでの敗北宣言かな。 地球を破滅に追いやったのはガットラ―でS-1星人を全滅させたのはアフロだったんですねー マリンはS-1星人全滅なんて望んでなかったんですけどねー (だからガットラ―を撃てなかった) でも地球人からしたらガットラ―が死んでS-1星人全滅は吉報ですよね。 マリン、仲間を振り切ってまで出てきた甲斐があったじゃん! やっぱり勝者はマリンなんですかね? 完全な拾い勝ちなんですが・・・ アフロが出てきたので2人の対決がうやむやになっちゃったんですよ・・・ 映画を小バカにしててすみませーん。 映画ガットラ―も敗者の美学が感じられて悪くは無いんですよ。 自分を撃ったアフロを「可愛いやつ・・」と許してますからね、引き際が良いんです。 所詮フィクションですが、この場でこう言える、様になる男は少ないでしょ。 TVと映画ではキャストがマリン(塩沢兼人さん)雷太(玄田哲章さん)デビット(井上和彦さん) 以外の全員、総とっかえなのでガットラ―も違います。 TVは青野武さん、映画は柴田秀勝さんです。 このシーンも柴田秀勝さんの重厚な演技もあり説得力があって泣かせる。 若い女に本気になった末路・・・的な? 映画のキャストも音だけ聞いてるとバランス取れてて皆さん芸達者で良いんですよね。 良いんだけど好みの問題はまた別で好きなのは俄然TVのキャストです。 と、まあそんな話を広川和之さんにしてみた所 「(自分は)ガットラ―は柴田さんが総統の威厳があって好きだ」 とおっしゃってました。 そうなんですよ!! TVの青野さんはいかにも叩き上げでのし上がってきた粗野で下品な感じが否めないんですが (そしてそれが魅力なんです♡) 映画の柴田さんはノーブルで威厳があるんですよね。 TVガットラ―は下品(失礼)なくせに対マリンでは勝者だし S-1星人にとっても支配者、指導者になりえた。 (TV39話はアフレコまで進んでないので想像の限りですが) 映画ガットラ―は威厳があるのにサレ男の敗者。 (アフロを寝取られた訳ではないけど同じこと) どっちも萌え♡じゃないですか~ TVアフロは36話で死んじゃってますが、もしもTV最終回の対決に映画みたいに現れてたら TVガットラ―はどんな態度に出たのかな? S-1星人の未来のためにそれでもマリンを誘うかな?? TVマリンもアフロが居たら応じそう?? いや、アフロと2人してガットラ―をズドン(射殺)もアリかな?? とか、色々考えると面白いー 妄想膨らむTV、映画2人のガットラ―。 あなたはどちらが好みですか? |
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(2022年1月)