早わかり!! |
「宇宙戦士バルディオス(テレビ版)」は1980年〜81年にテレビ東京系列で放送された連続アニメです。 全39話の放送予定でしたが諸般の事情により31話で放送はうち切られてしまいました。 広く一般に知られてはいませんが、現在でも一部に強烈な支持層を持つコアな作品だと思います。 |
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放射能汚染の為、地下都市での未来のない生活を余儀なくされていた惑星Sー1。 軍人ガットラーは煮え切らない態度をとる皇帝と、反対勢力のレイガン博士を殺害しSー1星総統の座に着きます。 そして民間人を率いて新天地へと旅立つのですが、ここで思わぬアクシデント発生! クーデターのさなかに片腕アフロディア(女・超美人)の弟が レイガンの息子マリン(主人公)に殺されてしまったあげく ワープの際に発生した次元嵐に巻き込まれ、西暦2100年の太陽系に流れ着いてしまったのです。 転んでもタダではすまないガットラーのこと! 第3惑星地球のあまりの美しさに一発惚れ込み、侵略開始。 圧倒的な科学力で全面制圧をねらいますが、そう簡単にはいきませんでした。 なぜなら同じく次元嵐に巻き込まれ死んだと思っていたマリンが地球と手を結び 亜空間ロボットバルディオスで猛反撃してきたからです。 地球(ブルーフィクサー)対Sー1星(アルデバロン)とのなが〜い戦いの始まりです。 (#1〜4) 戦いは一進一退の膠着状態が続きます。 そんな中、マリンはかつての同胞を殺めているという自分の行為に悩み苦しみます。 一方、生き甲斐とも言える弟を失ったアフロディアは マリンへの復讐心を頼りに、地球侵略に励みますが何故か心は晴れません。 相対峙するうちにお互いの中に何か、片割れ意識の様な物が芽生えていったのかも知れません。 (#5〜24) そんなアフロディアの志気を反映してか、はたまた女性司令官へのねたみか、 アルデバロン内では内部紛争も起こる始末。 エネルギー不足も深刻になってきました。 これではイカン、とガットラーは自ら指揮を執り、地球人抹殺計画に着手します。 それは「南極、北極の両地点に人工太陽を落とし 膨大な量の氷を溶かし津波を発生させる」と言うとんでもない作戦でした。 自然の猛威の前にはブルーフィクサーもバルディオスも歯が立ちません。 築き上げてきた文明も、全ての動植物も何もかも膨大な海水に覆われ海の底に沈んでいきました。 (#25〜32) |
テレビ放映はここで終了してしまいます 以下、打ちきり 未放映分 |
マリンが愛し、命がけで守ろうとした青い海は30億もの命を奪っていきました。 何もかも失った地球ですがブルーフィクサー基地とバルディオスは無事でした。 わずかに残った地球軍(世界連盟軍)と共に最後の決戦に挑みます。 彼らの心にあるのはアルデバロンへの復讐心だけです。 まるで櫛の歯が欠けるかのように残った隊員達も次々と散っていきます・・・・ 一方のアルデバロンも負けてはいません。 バルディオスがいる以上、まだ「勝利」ではないのです。 (#33 破滅への序曲・後 34 地球の長い午後) |
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そんな中、アフロディアはガットラーに司令官の地位を解任されます。 これは総統の地位をもねらう野心家ネグロスの突き上げに寄るところが大きかったのですが それ以上に彼女を愛するガットラーの配慮でもありました。 しかしアフロディアはそんなガットラーに応じられる程、計算の出来る女性ではありません。 ネグロスに騙されたあげくにアルデバロンを脱走。 かろうじて地球にたどり着いたものの、待っていたのはブルーフィクサー隊員達による尋問と称した激しい報復でした。 マリンはそんなアフロディアを何かと庇います。 でもどう転んでも所詮2人は仇同士。 その上、今は雌雄を決する戦いの真っ最中です。 互いの気持ちに気づきながらもどうすることも出来ずに、やがてアフロディアはマリンの腕の中で息を引き取ります。 マリンは又一つ、大切な物を失ってしまいました・・・・・ (#35,36 アフロディアに花束を 前後) |
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両軍の決戦は土星で行われました。 アルデバロンはこの場を決戦の場と確信し、あらかじめ待機していたブルーフィクサーに返り討ちにあってしまいます。 なぜ地球軍はそれを予期していたのでしょう?? 鍵は水没後の地球の地形にありました。 洪水後の地形はSー1星のそれと瓜二つだったからです。 地球はSー1星の過去の姿なのではないのか・・・ そしてその仮説を証明するかのようにこの戦いで土星は消滅してしまいました。 Sー1星を包むソウル系は構成が太陽系とほぼ同じですが土星にあたる星がないのです。 (#37 亜空間要塞最後の日) |
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土星での決戦で地球はブルーフィクサー基地を失い、アルデバロンはほとんどの民間人を乗せた母船アルゴルを失いました。 互いにタイムパラドックスの事実に気付きながらも両軍はこの戦いを止める事は出来ませんでした。 今、地球とSー1星との違いは放射能で汚染されているか否か、この一点だけです。 しかし地上に残された核基地を手中に収めているのはガットラーでした。 マリン達は必死で核弾頭の処理を進めますが運命の前には何もかも徒労に終わります。 誤って核ミサイルを発射させてしまったガットラーの手によって地球は赤く染まり、バルディオスも破壊されてしまいました。 (#38 雷太よ 明日を救え!!) |
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戦いは終わりました。 わずかに残された地球人類にとっては今を生きることが次の戦いでもありました。 たとえ地球の未来がSー1星だとしても、今生きている命をつなぐことが何よりの仕事です。 しかしマリンは未だにガットラーが生きている事実を知ってしまいます。 Sー1星人として最期の責任を果たすために、マリンは旅立ちます。 宇宙でマリンを待つガットラーも又、一人でした。 部下も基地も失い、彼を信じた人民も失いました。 わずかに残された冷凍処理された民間人もエネルギー欠乏のためすぐには甦らせることが出来ません。 憎悪に燃えるマリンでしたが彼を殺せば残された民間人をも殺すことになります。 ありったけの力で殴りかかるマリンを無造作に放り投げてガットラーは言います。 「新しい旅に出る。お前も来ないか。」 地球を破滅に追いやったガットラーは最後まで民を思う主でもあったのです。 マリンは傷つき果てた体で地球に戻ります。 彼を迎えてくれたのは幻のようにも映る懐かしい人々でした。 マリンはどこまでも赤く染まった砂浜を歩いていくのでした・・・ (#39 永遠への旅立ち) |
「バルディオス・テレビ版 #1〜#34(未放映分も一部含まれています)」は |
2002年6月