35話「アフロディアに花束を」絵コンテ Aパート(前半)


35話コンテ表紙です。
2000年頃?バルディオス友達からコ○ー取らせてもらいました。
(バルディオス友達は劇場版バルディオス公開後に
葦プロ通販か何かで未放映コンテを買った知り合いから
コ○ーを取らせてもらったそうです。

当時の同人誌の情報ではシナリオ定価500円 
コンテ定価2000円とありました)

コンテ「湯山邦彦」とあるのですが
現在、閲覧可能なスタッフリストのほぼ全て
35話コンテは「山室清二」
と記述されています。

81年5月葦プロ発行の豪華本も
35話コンテ「山室清二」になっています。
後発のムック本やDVD解説、ネット上のスタッフリストもおそらく豪華本を定本にしているため
「山室清二」になってしまっているのでしょう。
( 私も実際のコンテ見るまで
35話コンテは山室さんだと思ってました)

スクロールしていって実際のコンテを見ると分かるのですが
これは湯山さんのコンテで間違いないのではないかと思います。
(少なくとも山室さんではない)
じゃあ、なんで豪華本記載はが間違っていたのかと
たどってみました。




まーー
たどってみた所で結局、理由は分らなかったのですが細かい日付が入ってるので検証に使おうかなあと。
















コンテ1P目です。

見にくくて申し訳ないのですが転売防止のため
ロゴを入れました。
(前アップしたコンテがオークションに出てたので)

35話シナリオのコーナーで当時の同人誌で
加藤プロデューサーのインタビュー中に
「35話は撮影を残すのみだった」
とあった、と書いたのですが
その辺を掘り下げてみます。
C-4アフロディアのセルと
C-5のマリンのセル2枚が
某オークションに出てたのを見たことがあります。
(落札できなくて手元に現物はありません)

また豪華本や当時のアニメ雑誌に
35話コンテと符合するカットが幾つか掲載されています。
それら全て35話作画監督の田中保さんの絵柄なんです。
(該当のカットは順次あげていきます)

加えて上でリンクにあげた手書きのスタッフ表に
(湯山さんの名前があるほう)
35話は
11月13日コンテin
11月17日コンテup
11月17日作画in
とあります。

現視聴長可能な
(DVDに収録、フィルムになってる)
34話のアフレコが1981年1月22日
ダビングが1月28日。
最終回の放映日が1月25日なので打ち切りによる最終回の放送が終わった後に作業されてるわけですが
スタジオを押さえてる関係上だったのかと推測できます。

35話は1月29日アフレコ
2月4日ダビング予定だったようですが
さすがにこれは出来ない
(スタジオのキャンセルが出来た?)
とかの判断で
作画は終わっていてセルにもなっていて背景もあっていたけど撮影には入らなかったのかもしれません。

  日付つながりでもう一つ。
36話コンテは
11月10日コンテin
11月28日コンテup
11月20日作画in
とあります。

36コンテ担当の広川和之さんから
36話コンテは作画担当のZ5との作画打ち合わせ
に間に合わず
コンテが描きあがっているAパートだけ打ち合わせをし
Bパートを描いてる途中で打ち切りが決まった
(なので完成品としての36話コンテは存在しない)
と伺いました。
なので打ち切りが決まりスタッフに伝えられたのは
80年11月下旬頃?かもしれません。
   
   
  C-16~C18のシャワーション
(角度とニュアンスが違いますが)
劇場版バルディオスで
いのまたさん作画の新作カットとして登場しています。
 
 
1枚飛ばします。

ここはそっくりそのまま豪華本に
いのまたさんのカラーコンテとなって掲載されています。

先の手書きスタッフ表でも分かるように
35話コンテは打ち切り決定前に
通常業務で描かれたものだと思われます。
(見やすいようにいのまたさんが清書、彩色したのが豪華本掲載のカラーコンテ)

上の湯山さんのコンテは
C25(ネグロス一礼)と
C24(アフロディア)の順番を入れ替えるように指示してありますよね?

だから湯山さんのコンテを見ながら清書した
いのまたさんのカラーコンテは
順番どおりにC24アフロディアをC23のネグロス登場の直ぐ下に描いています。

葦プロダクション発行 宇宙戦士バルディオス
(通称 豪華本)

   
   
 
 C34 部下に銃を突きつけられるアフロディア


徳間書店ロマンアルバムデラックス47
宇宙戦士バルディオス

徳間書店アニメージュ81年4月号にも
同じカットが載ってます
  少し飛ばします。

一方の地球とバルディオスチーム。
ここは35話シナリオで丸々飛ばしたので
全部入れますね。

こんな風にマリン達バルディオスチームは亡き月影を偲んでいるわけです。
このシーンがあるので
雷太オリバーが博士は冷たいと詰るシーンや
マリンが月影を思って泣く博士に安堵するシーンは
無くても良かった
(その分、アフロディア周辺に尺を使って欲しかった)
と思ってしまうのです。

すでにあるシナリオを削って別のエピソードを入れるのは
それを考えるコンテ?演出?の負担が大きいから
難しいんだろうなあ、とは思いますが・・・
あ、でもシナリオやコンテにはあるけど
フィルムになった時に残ってるとは限らないか。
  洪水後の混乱&物不足の地球で花束なんて
どうやって調達出来たの?
って突っ込みは置いときましょう。

水没して海と化した都市
朝の光と花びら(透過光)、月影の微笑みと情感のある場面です。

   
  一方のアルデバロン。
(司令室)

一つ前の34話でBFS,アルデバロン双方とも
洪水後の地球の地形がS-1星と同じだと気が付きます。

津波エピソードの「破滅への序曲(前・後)」
シナリオは首藤剛志さんですが
そもそもは地球とS-1星が違う星であると
キャラクター達に勘違いさせるためです。
(何度かリンク引用させて頂いてるWEBアニメスタイル
シナリオえーだば創作術に飛びます)

やっぱ首藤さん、すげーですわ。

←ここら辺のエピソードは劇場版にはないんです。
(地球=S-1のからくりは博士がマリンに自らの仮説を打ち明けるシーンのみ。

双方が違うタイミングで驚愕の事実を知っていく
ってのが良かったんですがねーーーーーーーーー
ガットラーの焦りと動揺も人間らしくて見たかったです。
   
  ムランとのやり取りが長いので2P飛ばします。

C-68丁寧な描きこみ。
コンテからも
バルディオスはここから先がクライマックス!
の意気込みが感じられます。

35話サブタイトルは「アフロディアに花束を」ですが
ガットラーの見せ場も多い!
C-71
ここ、シナリオでも「木星」となっているのですが
37話で実際に消滅するのは土星です。
(理由は先のリンクにもあるように大きな輪があり太陽系の象徴だから)
単純ミスかな?
映画でも土星です。
  3P飛ばします。
地球=S-1の事実を周囲に訴えると告げ、退出しようとするムランは隠れていたネグロスに銃殺されます。
   
 C-90
指をさすって良い芝居1
2人の立ち位置が逆転してる。
   
  C-95
場所が「司令室」から「ガットラーの室」に変わり
アフロディア登場。
いよいよ前半のクライマックスです。

この「ガットラーの室(部屋)」は
11話「情け無用の戒律」
(アフロディアが自らの戒律違反をガットラーに言えないばかりか、逆に労われる)
や18話「裏切りと暗殺の旅路(後)」
(マリンがガットラーに対面&アフロに平手打ちされる
映画もTV流用で同じシーンあり)
25話 「ガットラー暗殺計画」
(アフロが両親を殺したのは貴方か、とガットラーを問い詰める)
辺りで使われてます。

18話だけニュアンスが違いますが
下の設定を見ると寝室につながっており
公務と言うより私室に近いんじゃないですかね?

C-96のコンテだけ見ると解りにくいかもしれませんが
壇上にガットラーの椅子があり
来訪者は視覚的に上下の関係におかれます。
次からのアフロディアとのやり取りに
この高低差が上手く使われていて
好きなシーンです。





・・・・・・・・ちなみに先にあげた25話のアフロディアは
(コンテにあるような)下からではなく
横から(ガットラーの椅子と同じ高さ)登場します。
それは寝室から来た・・・と取れなくもないのですが・・・

まあ本編上にこの部屋が寝室に繋がっている、みたいな描写はどこにもないので
25話は演出上、下から上がる必要がないから横から登場なのかもしれません。


 
スタッフ用の設定資料





35話コンテAパート続き

資料館トップ 35話シナリオ  メニュー


(2018年12月)