朝日新聞のアフロディア&ネーミングエピソード
意味不明なタイトルですが、まんまです。
天下の朝日新聞にアフロディア様が降臨いたしました。
2015年3月10日夕刊であります。


朝日新聞 2015年3月10日(夕刊)より引用

当時、ヤマト2199がヒット
ヤマトがTV放送としては数十年ぶりに地上波放送(2199のTBS放送)があったり
さらに新作の2202の制作が決まったりと話題になってました。

そんな中こちらの「ヤマトをたどって」はヤマトに絡めてアニメの変遷をたどるコラムだったと記憶しています。
執筆は太田啓之さん
「ヤマトをたどって」の前にやはり朝日新聞(夕刊)で「大和をたどって」を執筆されており
現在は書籍化作業中だそうです。
ってことは本になったアフロ様の雄姿が拝める??

全体像はこちらが詳しいです。
朝日新聞夕刊連載 「ヤマトをたどって」togetter

B級アニメのバルディオスが本文で取り上げられた訳ではないけど
アフロ様、センターを務める大抜擢!!
「バルディオスなんてあったよなー」とでも思ってもらえれば大躍進ですよ>7年も前だっつーの

で記事中にもあるように、この画像は徳間書店アニメージュ 1981年8月号掲載
「アニメキャラ軍服変遷モデル」を引用しています。
で、その元記事がこちら




徳間書店アニメージュ 1981年8月号より引用

これだけ各アニメキャラ勢ぞろいしてる中、なんであんな編集?
キャラの知名度で言ったら右のアムロ、シャア、オスカル当たりが妥当ですよね。

よくよく考えてみたら
コラム中、画像のキャプションに
「キャラクターの背景に実際の戦場写真が掲載され、読者が反発した」
とあるんです。

その上で見てみるとアフロ様の背景にはご遺体が映ってるんですよね。
なので紙面構成する上で都合良かったのかな?と。
やはりアフロ様は引きが強い!
なんか持ってる人ですよ!!

「アフロディア」は酒井あきよしさん(脚本 構成 原作)のネーミングですが
強くてセンスのある名前ですよね。
響きもよくて想像力を掻き立てられる。

ネーミングってア行(母音)とラ行と濁音が混じると強い印象が残りますが
アフロディアだとその上、美しさも加わって100点満点!
個人的な印象ですが酒井さん執筆の小説バルディオスやシナリオ読むと
酒井さんってロマンティストなのかなーって思うんです。
そんな酒井さんの一面が出たのがアフロディア、のネーミング・・とか?
違うかな。
そんなアフロ様の持つ強さと美しさが引き寄せたまさかの新聞掲載。
わたくし、そう信じております。

ちなみに「マリン」は広川和之さん(TV監督 映画演出)ネーミングですよね。
これはマリン=海で作品イメージから来てると思っていましたが
お会いした時に伺ったお話では違う理由もあったそうです。

マリン=海もそうだけど 直接のきっかけは
「「海底少年マリン」のパイロット版3本が良かったからそこから取った」
とお聞きしましたよ。
どこがどう良かったのか、とかはお聞きしなかったのか
それとも広川さんも覚えていらっしゃらなかったのか、それ以上の話は記憶にないです。

いつか見てみたい、と思っているのですが
当時広川さんがご覧になったのと同じものは見れないらしいです。
(フィルムが劣化 退色してしまってるとか。特に青が灰色になってるらしい。)

ネットに上がってるのがそのパイロット版なのか私は分からないのですが
(DVDは買えない・・・DVDにパイロット版が入ってるかも分からない。
パイロット版はフィルムが紛失してるらしいです)
作画の質が高くてすごいなーって。
バルディオスを、マリンを、こんな風に志の高い映像にしたかったのではないか・・
なんて事も思いました。

ちなみにちなみにアフロディア様のフルネームは「ローザ アフロディア」ですが
豪華本発刊時に考えたとお聞きしてます。
そもそもガットラ―、アフロディア、クインシュタインは姓名表記じゃないんですよね。
ぶっちゃけ、必要がなかったから設定しなかったんだと思います。
あの頃のアニメはそんなもんで今みたいにバシッと全部設定して公開したりしてません。
本編でもフルネームで出てきませんし。

ただ豪華本として葦プロが出す公式資料集のメインキャラ紹介がフルネームあり、なしと
両方あるのはまずいじゃないですか。
そんな理由での後付けなんと思います。

誕生日などのプロフィールも豪華本記載の後付け設定です。
その辺も広川さんにお聞きしたんですが
「架空のアニメキャラと言っても共感できる人物にするため
奥行を出すために、その人がそれまでどうやって生きてきたか
どんな家庭に生まれ育ってどう生きてきたのかはとても重要で誕生日なんかはその一環」
のようにおっしゃってました。
星占いとかスピリチュアルにも詳しくて
「この性格は何座だからって考えて、そこから誕生日を割り出していった」
のように伺いました。
キャラクターを立たせる とはこういう事か、なんて思いましたねー



広川さんから伺ったネーミングエピソードをもう一つ。
S-1星皇帝「トリノミアス三世」は
富野(由悠季)さんと鳥海(永行)さんから取ったとお聞きしました。

Sー1星皇帝 登場回の1話「孤独の追跡者」のコンテを見てみると
「スーパー S-1星皇帝」とだけあって名前の記載はありません。


豪華本に載っている皇帝の設定画も「皇帝」とだけあって名前はありません。
アフレコ台本にも「皇帝」とだけで、やはり名前はありません。
実際、1話であっさり死んでその後も登場しない
役割的にはS-1星の皇帝であればそれで良し
個別の名前は無くても構わない存在なので設定されなかったのだと思います。


葦プロダクション
宇宙戦士バルディオス(通称 豪華本)より引用

1話「孤独の追跡者」アフレコ台本
 

でも私たちはS-1星皇帝の名前は トリノミアス三世 だと知っています。
(某 ふたばチャンネルが広めたのが直接原因ですが・・・)

これは本編のS-1星皇帝 初登場時にコンテには無かった「トリノミアス三世」の字幕スーパーが入ったからなんですが、元々必要ないと思われた個別の名前がなぜ付いたか。
これは1話の流れを見ていくと分かります。

会議場のシーンは
ガットラ― レイガン博士 皇帝
の順に登場するのですが皇帝だけ「S-1星皇帝」とすると
前2人は肩書+名前の字幕なのに一人だけ肩書のみでバランス悪いですよね。
なので演出の段階で急遽 名前を付けた
そして命名者は1話演出の広川さんなのではないか(だから名前の由来を知ってる)
と言うのが私の推論です。
(そして急遽、着けた名前なのでちょっとおふざけ入ってる)

字幕が入るシーンは一瞬で 前述のとおり皇帝はこの後すぐ死んでその後登場しませんし
「トリノミアス」と名前で呼ばれる事もありません。
「1話は力を入れた」
ともお聞きしましたが、様々触れたようにとても丁寧に作られてるのがここからもわかります。
画像引用Pioneer DVD
宇宙戦士バルディオス1話「孤独の追跡者」 
葦プロダクション 著作


朝日新聞から大幅に話がそれましたが
こういった、個人的にお聞きした話も残しておかなくちゃいけない・・そう思うようになりました。
それがバルディオスを残すことに繋がればいいな、と。
私が聞いただけの話ですが、真意のほどはそれぞれで判断してください。


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(2022年2月)