リラン・オーデション |
ステキだわ あの青い空 私たち もうすぐあそこに住めるのね 楽しみだわ 地球ってどんな所かしら、 海で泳げるって、本当? 暖かい風や、冷たい風が吹くって、本当なの? ラスカ・・・どうしたの、何を考えているの? 怒ってるの? いや、そんな顔しちゃ・・・・。 ラスカ・・・こっち向いて・・・・笑って・・・・。 愛してるわ・・・ラスカ。 |
コレがリランオーデションの一次審査のセリフです(爆!)
劇場版「宇宙戦士バルディオス」の新キャラ「リラン(ラスカ・堤大二郎の恋人役)」は |
応募規定 | |
日時 | 1981/10/25(日) |
場所 | 東京・池袋・サンシャイン文化会館7階 サンシャイン集会所 |
受付時間 | 9:00〜10:00 10:30より予選開始、 最終発表は16:30予定 |
参加資格 | アマチュアの女性 年齢は不問 |
参加者全員にポスター、本選参加者には記念品、優勝者にはトロフィーと賞状の授与 主催/東映セントラルフィルム株式会社 |
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ワタシはバルディオスを本放送から見ていたクチですが、正直言ってこのイベントを舐めてました。 だって・・・ホラ・・バルディオスでしょ???? つい半年前までだ〜れも知らんかったアニメだよ(笑) 多少アニメ雑誌で騒がれたからってノコノコ出かけていくモンは限られてるじゃろう・・そう思っていましたよ。 しか〜〜〜〜〜〜〜〜〜し・・・・ 会場であるサンシャイン周辺にぞくぞく集まる女、女、女の群れ・・・凄かった!! マジ、一瞬帰ろうかって思いました・・・・ 結局、主催者発表で3000人集まった・・とか。(映画パンフより) 予定のスケジュールも大幅にずれ込み待つこと数時間・・・・いや〜、どれくらい待ったかなあ・・・ホント やっと会場に入ると、そこはフツーの会議室・・って感じでしたね。 審査員はキャストからは塩沢兼人さんと戸田恵子さん。他にスタッフとで総勢10名。 鳥海永行さん(劇場版・総監督)、斯波重治さん(劇場版・録音監督)等がいらっしゃったようです。 (当時のアニメ雑誌より) 審査は各自で好きな人を選んで聞いてもらう・・と言う何ともノンキな物でした(笑) そしたら誰だって塩沢さんに聞いてもらいたいでしょ?? 割合で言ったら9(塩沢さん):0・5(戸田さん):0・5(残り8名の制作スタッフ)ッテ感じかな。 他の人をさしおいて塩沢さんの列だけ延々長い、長い・・・ 関係者の方が必死に「他の人の方が早いから!!」って叫んでも誰も聞いてませんでした(笑) スタッフの方なんてよっぽどヒマなのか隣同士でおしゃべりしてたし・・・・ 勿論ワタシも迷うことなく塩沢さんの列に並びましたよん♪ この他にもこのオーデションは当日エントリーでテープなどの事前審査があるでなし、 履歴書提出や氏名などの個人情報を伝える必要も無し、もちろん参加費も無料といたってノンキな物でした。 今だったら考えられないですよね・・・ 3000人分のアニメ(又は芸能)に興味のある 10〜20代女性のリスト作ったら、いくらでも二次利用できそうなのに。 |
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一時審査の結果30人(映画パンフでは20人)が二次審査に進んだそうです。(勿論ワタシは落ちました) 待っていれば二次審査の様子も見学できたようですが疲れたんでそのまま帰ってしまった・・バカ 当時のアニメ雑誌の記事によると塩沢さんが相手役(ラスカなのかなあ?)を引き受けての審査だったようです。 最優秀賞は実際に映画でリラン役を演じた越智祐子さん。 次点として優秀賞に小粥洋子さんとS・Tさん(記事中は実名)が選出されました。 越智さんも小粥さんも共に声優(役者)志望でそれなりの勉強をされていたようです。 越智さんのその後は存じませんが、小粥さんは「小粥よう子」として声優デビューを果たし 「キャプテン翼」等でご活躍されました。 現在は日比野朱里と改名されて各方面でご活躍中です。 ご自身のHPの中でこのリランオーデションの事も触れられていて懐かしく拝見させていただきました。 |
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やっぱり一番の思い出は塩沢さんのことかな・・ ワタシの少し前に、何て言うのかなあ・・・ちょっとオーバーアクション気味の方がいらっしゃったんですよ〜 ロミオとジュリエットのバルコニーのシーンよろしく、身振り、手振りも加えての大熱演! 後ろで聞いていても失礼ながらちょっち、ツライ物がありました・・・(汗・・) とにかく当日はすんごい人出&塩沢さんはお一人でかなりの人数をこなさなければいけません。 どんな顔で聞いていらっしゃるのかな〜〜〜〜〜〜なーんて好奇心で覗いてみたら・・ 終始、変わらない穏やかな笑顔でした。 いくらお仕事とはいえ、とんでもない数の素人女性の審査ですよ〜。 聞くだけでも、相手するだけでも大変なことなのに・・・ やっとワタシの番が来ました。 別に声優志望だったわけでもなく、言ってみれば冷やかしなんですよ・・・オイラなんて。 ちゃっちゃと終わらせた方が少しでも時間短縮だし・・ 何て事も思いましたがやっぱり塩沢さんにはキチンと聞いていただきたい・・ 「よろしくお願いします。」と一礼してから、演技(おい)してそれから「有り難うございました。」とお礼を申し上げました。 塩沢さんは「はい、どうぞ。」「お疲れさまでした。」と答えて下さいました。 それから握手もしていただきました。 終わってから一緒に行った友人に「塩沢さんとお話ししちゃった〜♪」って言ったら 「そーゆーのは会話とは言わない。」と冷静に突っ込まれてしまいました・・・確かに・・ でもね、何千人の中の一人のコの挨拶なんて無視しちゃってもいいのに、ちゃんと答えて下さったんですよ。 それが嬉しかった。 あれから20年立ってワタシはすっかり年を取り、塩沢さんはもういらっしゃいません・・・ なんだかウソみたいです。 訃報に際していくつかの追悼記事を読んだり、ネット上でファンの方の意見も拝見しましたが その中で目に付いたのは「仕事に対する厳しい姿勢と暖かいお人柄」みたいな記述でした。 あの日の塩沢さんもそうであったような気がします。 マリンに会えたほんの数分間は今でも大切な思い出です。 塩沢さん、あの時は有り難うございました。凄く嬉しかったんですよん♪ |
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(2002年7月)